海外子育て、俺たちの戦いはこれからだ!
先日、子供が奥さんに聞いてました、「どうしてお父さんとお母さんはいつも同じことを言うの?」と。
「お前の話は(いつも同じことばっかりで)つまらん!」ということではなく、お父さんは日本語だけ、お母さんはドイツ語だけを話しているのに、どうして意思疎通が取れて、同じ返事が返ってくるんだという疑問だったようです。
これを聞いて僕は2つの意味で、「してやったり」とほくそ笑みました。
1つは、お父さんは日本語だけ、お母さんはドイツ語だけしか話せないと思いこんでいることです。
これはバイリンガル教育のほぼ定説のようなものであり、子供たちもまんまとこの策にハマり、お父さんには日本語で、お母さんにはドイツ語で話さないといけないと刷り込まれているようです。計画通り…(ニヤリ
もうひとつは、子供たちの視点からは僕たち夫婦間ではちゃんと矛盾がなく返事ができているようです。
子供も知恵がついてくるとシステムの脆弱性を利用してライフハックしようとしてきます。
まずはお母さんにチョコレートを食べていいか聞く、しかしそこでダメと言われ高い所においてあるチョコレートはもらえない。
そこで、お父さんのところに行って、お母さんはチョコレート食べていいって言ってたから、取ってくれと頼んでくるわけです。
ここで、夫婦の間でちゃんとコミュニケーションが取れていないと、子供たちにダマされてしまうことになってしまいます。
これぐらいならかわいいものですが、夫婦間で矛盾がないというのはハーフの子供にはとても大切なことだと思っています。
夫婦間で意見が異なると子供はどちらか好きな意見を選べてしまうわけで、これが子供の日本文化・オーストリア文化の間で好き嫌いを助長する可能性があるのです。
せっかく両方の文化を良いところ、悪いところの両方を均等に学べるチャンスがあるにも関わらず…です。
矛盾ないコミュニケーションをとることで、互いの文化を尊重しながら、子供たちに2つの異なる文化を教えていくことが可能になると思います。
さーて、ここまでは理想論を展開してきましたが、ここからモザイクをだんだん薄くしていきましょう…
が!しかし現実問題として、事前にすべての意見を夫婦間で共有しておくことはできません。
つまり奥さんが変なことを言っていても、(ある程度は)子供の前で奥さんを否定すべきではなく尊重しなければなりません。
そしてその尊重という名の妥協アンド妥協が多くの犠牲を生むのです…
「チョコレート解禁は3歳から」
これは娘が8か月ぐらいのときに犠牲になりました。即死でした、「クリスマスだから」の一言で。
「早寝早起き朝ごはん」
早起きは早々に戦線離脱しました。そしてその後、姿を見たものはいません。
「Youtubeは1日1時間」
忘れたころにときどきは復活はしていますが、かなりゾンビ化しています。
一方で奥さんサイドにも犠牲は出ています、たとえば「子供は小さいときから自分の部屋で寝る」
つまり、2つの文化から学べる可能性はあるけど、妥協の産物が産まれる可能性もある…
よくブログなどには「子育て方針についてよく話し合いましょう!」みたいなことが書いてあります。
ぶっちゃけ僕はその書いている人が本当に話し合って決めているとあんまり信じていません。やってみてできなかったから。
こうやって妥協を重ねて日々過ごしているのが国際結婚&ハーフの子育ての本当のリアルではないかと。
これまでに両軍ともに多くの犠牲を出してきました、そしてこれからも犠牲は出続けるでしょう…まだ始まったばかりなのです。
俺たちの戦いはこれからだ!ご愛読ありがとうございました。